2007年11月16日(金)付け日経金融新聞3ページ金融総合面の「視点 論点」というコラムに、双日総合研究所副所長である吉崎達彦氏が「国内景気後退、3つの要因」というタイトルで論文を掲載されていらっしゃいました。
冒頭で、街角調査について触れられています。2001年1月に開始されましたが、この結果で景気の微妙な変化を嗅ぎ取ることができます。その現状判断指数が、7ヶ月連続で低下が続いているとのことです。
そして、本題の国内景気後退に関する3つの理由については、次のように述べられています。
(1)物価の上昇
消費者物価指数は僅かにマイナスゾーンだが、これは購入機会の少ない家電製品などの影響。
日常生活で必要な食料品価格は上昇。
給料が上がる機会が1回なのに、物価がじわじわと上昇してしまっては、消費者マインドは下がってしまう。
(2)法令順守(コンプライアンス)の行き過ぎ
耐震偽装対策のために建築確認手続きを厳しくした改正建築基準法。
金融商品取引法、個人情報保護法も現場に携わる人にとっては負担となっている。
被害者がいるわけでもない食品不正問題。
一連の規制強化に共通するのは、100%の安全のために最低限の経済合理性が失われることである。
(3)雇用の質の変化
「正規か非正規か」という雇用形態ではなく、問題は自営業者の減少。
自営業者の方がよく働くし、消費性向も高い。
もし日本経済が本調子であれば、雇用者が独立して自営業者(自己雇用者)が増えるはず。
若者がリスクを回避し「寄らば大樹」の傾向を強めている現状は、国内景気にとってポジティブな指標ではない。
と3つの論点を論じられた後、最後に「桐一葉落ちて天下の秋を知る」と締めくくられていたのが印象的でした。
※桐一葉落ちて天下の秋を知る
「何か事が起ころうとするときには、必ず前兆があるものだ。」という意味です。転じて、今まで勢いが盛んだったものが凋落していく様子にも使われているようです。
淮南子説山訓に「見一葉落而知歳之将暮(一葉の落ちるを見て歳の将に暮れんとするを知る)」とあり、やがて唐の頃になると「桐一葉落天下知秋(桐一葉落ちて天下の秋を知る)」と言われるようになったそうです。
日本では、豊臣政権にあった片桐且元が詠んでいます。