1.オンラインカジノでの利益も課税されるのですか?
オンラインカジノで利益が出るのは嬉しいものです。ですが、忘れてはいけないのが税金です。
オンラインカジノでは、ランドカジノと異なり、どんなに高額の配当が当たっても源泉徴収されることはありません。配当はすべてもらえることになります。
ところで所得が発生した場合、税金が課されることになります。オンラインカジノで所得が発生した場合も例外ではありません。
2.課税されるなら、所得の種類は何になるのですか?
所得には、給与所得、事業所得など計9種類の所得があります。雑所得を含めると10種類になります。
それでは、オンラインカジノでプレイして勝った場合、どの所得に該当することになるのでしょうか。
ここで、所得税基本通達34-1に一時所得の例示がされています。その(2)に「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等」と書かれています。
文末に「等」とあるので、(2)類似ということでオンラインカジノでプレイして得た利益は一時所得になります。
一時所得の計算方法は、以下のとおりです(所得税法第34条第2項)。
(総収入金額)-(収入を得るために支出した金額)-(一時所得の特別控除額)=一時所得の金額
一時所得の特別控除額は50万円ですが、もし「(総収入金額)-(収入を得るために支出した金額)」が50万円より少ない場合は、その残額となります(所得税法第34条第3項)。
そして、課税対象となる一時所得の金額は、その所得金額の2分の1に相当する金額となります(所得税法第22条第2項第2号)。
また、一時所得は、損益通算ができません。昨日100万円勝って、今日100万円負けても所得はゼロではなく、100万円になります。もっとも収入を得るために直接要した金額は必要経費に計上できますので、100万円勝つのに10万円要したのであれば差額の90万円が一時所得となります(他に一時所得がない場合)。
年間で90万円勝ったとしますと、課税対象は特別控除額50万円を差し引いて2分の1とした20万円になります。
支払うべき税金の額ですが、一時所得は総合課税なので、他の所得と合算して算定することになります。
ちなみに、総所得が2,000万円以上あった場合は、「財産及び債務の明細書」を添付しなければなりません。オンラインカジノだけでこれだけの所得がある人はいないとは思いますが、念のため。
3.海外での所得も日本での申告対象になるのですか?
オンラインカジノは海外にあるため、海外での所得は日本国内で課税されないのではないかと思われる方も多いかもしれません。
ですが、海外での所得も日本での確定申告の対象となります(所得税法第120条)。たとえオフショア(タックスヘイブン*)であってもそうです。所得税法第120条にいう「居住者」とは、同法第2条第3号の定義で「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。 」となります。
つまり、日本国内に住所を有するかまたは1年以上居所があれば、その個人に属する所得は国内外を問わず、すべて日本国での確定申告の対象となるわけです。
なお、年の中途で海外出国した場合は、出国するまでに確定申告書(準確定申告書)を提出し、かつ納税しなければなりません(所得税法第127条、第130条)。
非居住者の場合は、国内源泉所得のみ課税されることになります(所得税法第161条以下参照)。
*タックスヘイブンとは「租税回避地」(Tax Haven)の意味であって、「税金天国」(Tax Heaven)の意味でありません。
4.米ドル建ての場合は、どのように計算するのですか?
オンラインカジノでプレイする場合、米ドル建てとなっていることがほとんどです。しかし、確定申告は円建てで行わなければなりません。
では、換算レートはどうすればよいのでしょうか。
所得税法基本通達57の3-2によれば、「その取引を計上すべき日における対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値による。」とあります。
さらに、「不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務に係るこれらの所得の金額の計算においては、継続適用を条件として、売上その他の収入又は資産については取引日の電信買相場、仕入その他の経費(原価及び損失を含む。)又は負債については取引日の電信売相場によることができるものとする。」とあります。
一時所得は不動産所得等ではありませんので、対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値、すなわちTTMレートで換算することになります*。
*通常、外貨を円に換えるときには、電信買相場、すなわちTTBレートを使用することになりますが、通達で上記のように定められていますのでこれに従いました。
しかしながら、為替レートは一物一価の法則が成り立たず、そもそも休日でない限り刻々と変化していきます。
そこで、どのTTMレートを用いるかが問題となります。
所得税法基本通達57の3-2(注)1には、「電信売相場、電信買相場及び電信売買相場の仲値については、原則として、その者の主たる取引金融機関のものによることとするが、合理的なものを継続して使用している場合には、これを認める。」とありますので、プレイヤーが通常使用している金融機関のTTMレートを使用すれば問題ないと思われます。このあたりは、厳密にこれを使わなければならないという規定はないようです。
正確には、取引日、つまり利益が出た日のTTMレートを使用することになりますが、それを逐一覚えている人はいないかもしれません。
その場合は、1年間米ドルで保持したと仮定して年間のTTMレートで換算すれば問題ないのではないかと思われます(私見)。不安な場合は、申告先の税務署に確認してください。
5.攻略法販売で儲かった場合も一時所得ですか?
この場合は、事業所得または雑所得になります。一時所得で認められた特別控除50万円や、課税標準が2分の1になるということは認められなくなります。
もっとも事業所得の場合、青色申告者であれば青色申告特別控除(複式簿記65万円、簡易方式または現金主義10万円)が認められます。事業所得については、書くとキリがないので省略します。
6.アフィリエイト収入があった場合はどの所得になりますか?
攻略法販売と同じく、この場合も事業所得または雑所得になります。
もしアフィリエイトで生計を立てている場合は、事業所得になるでしょう。アフィリエイト専業の方などが該当します。
アフィリエイトを副業で行っている場合で、なおかつ他に主たる所得がある場合は、雑所得になります。サラリーマンとして給与収入があり、その給与収入が主たる所得である場合、アフィリエイトによる所得は雑所得扱いとなります。
副業を行っていることを会社に知られたくない場合は、住民税の徴収のところで「普通徴収(自分で払う)」にチェックを入れることを忘れないようにしてください。
7.申告書の様式は何を使うのですか?
申告書は大別して、以下の4つがあります。
まず、分離用(第三表(分離課税用))、損失用(第四表(損失申告用))を提出する人は、確定申告書B(第一表、第二表)を使用します。
分離用(第三表(分離課税用))、損失用(第四表(損失申告用))を提出しない人は、確定申告書A(第一表、第二表)または確定申告書B(第一表、第二表)を使用することになります。
所得が給与所得、配当所得、一時所得、雑所得だけの場合は、確定申告書A(第一表、第二表)を使用することになります。ただし、以下の人は確定申告書B(第一表、第二表)を使用することになります。
なお、確定申告書A(第一表、第二表)は確定申告書B(第一表、第二表)を簡素化したものなので、確定申告書A(第一表、第二表)に代えて確定申告書B(第一表、第二表)を提出することもできます。
8.バレなければ申告しなくてもよいのではないですか?
確かに競馬等の公営競技、またパチンコ・パチスロで50万円を超える利益を上げている人の中で、それを申告している人はほとんどいないかもしれません。国税局及び税務署が所得を捕捉するのは困難なので、追徴されたという話も聞きません。
オンラインカジノの場合は海外で発生する所得なので、なおさら捕捉は困難と思われます。
ですが、まず海外からの送金(海外への送金も含む)については、200万円を超える金額であれば金融機関から管轄の税務署に国外送金等調書を翌月末日までに提出しなければならないことになっています(内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律第4条第1項、同法施行令第8条第1項)。
2009年4月1日からは、報告対象となる金額が変更になります。200万円を超える金額であったものが、100万円を超える金額へと引き下げられます。
(参考)[手続名]国外送金等調書(同合計表)(国税庁のサイトより)
200万円以下の金額の海外送金であれば国外送金等調書は提出されないことになっていますが、金融機関の担当者が200万円以下の海外送金についても調書を提出してしまう可能性はゼロとはいえません。その場合は、200万円以下の海外送金についても捕捉されることになるでしょう(私見)。
また、租税条約を締結している国家間では租税に関する情報を交換することができます。実際に捕捉されるかどうかは分かりませんが、絶対に不可能とは言い切れません(もっとも情報交換についてはマネーロンダリング防止の意味合いが強いという話です・・・あくまで噂ですが)。
所得税法上、申告義務そして納税義務があります。正しく申告しておけば、後ろめたい思いをすることもないでしょう。私が言えるのはそれだけです。
9.デビットカードならバレないのではないですか?
この質問はよく聞きます。結論から申し上げれば、バレる可能性がゼロとは言い切れません。
確かにNETELLER、EZIPay、Click2Pay等のデビットカードを使って現金を引き出した場合は、ほとんど捕捉不可能です。
しかし、VISAカード系ならPlus(プラス)、マスターカード系ならCirus(サイラス)のネットワークを通じて円で引き出すことになりますが、取引記録はきちんと残っているのです。海外の金融機関に照会すれば、カードの所有者を特定することは簡単です。
実際に照会されるかどうかは分かりませんが、理屈の上では、追跡が100%不可能ではないことになります。
(参考文献「所得税 確定申告の手引き」、財団法人 大蔵財務協会)